金融庁、トークン化預金×ステーブルコインの銀行間決済実証実験を支援決定——ディーカレットDCP・GMOあおぞら・アビームが参画
金融庁が「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト(PIP)」第3弾として、ディーカレットDCP・GMOあおぞらネット銀行・アビームコンサルティングによるトークン化預金とステーブルコインを活用した銀行間決済の実証実験を支援決定。2026年4月から開始予定で、法的論点の整理も並行して進める。
金融庁、銀行間決済の実証実験を支援決定
金融庁は2026年4月3日、「**FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト(PIP:Payment Innovation Project)**」の支援対象として新たに1件の実証実験を決定したと発表した。今回の支援はPIPとして3件目、FinTech実証実験ハブ全体では14件目にあたる。
参画企業は以下の3社だ。
実証実験の内容:2方式で銀行間決済を比較検証
実験では、**異なる銀行の顧客間でトークン化預金を使った送金を行う際に必要となる銀行間決済**の仕組みについて、実務的な有用性と実現可能性を検証する。検証期間は2026年4月から当面の間を予定している。
実験で取り上げられる決済手段は2種類だ。
| 方式 | 概要 |
|---|---|
| **従来型(預金口座活用)** | 銀行間で開設した預金口座を活用する既存に近い仕組み |
| **ステーブルコイン活用型** | ステーブルコインを媒介とした銀行間決済 |
この2方式の実務適合性を比較・検証しつつ、関連する**法的論点の整理**も並行して進められる。金融庁は実験終了後、コンプライアンスや監督対応上の論点、法令解釈に関わる実務上の論点を含む実験結果を公式ウェブサイトで公表する予定だ。
PIPとは何か:2025年11月設立の決済特化型プロジェクト
PIPは、ブロックチェーン技術を活用した決済高度化に向けた国内外の動きを踏まえ、金融庁が2025年11月にFinTech実証実験ハブ内に設置した決済分野特化型のプロジェクトだ。支援対象として選定されるには以下の5つの基準を満たす必要がある。
この高い水準をクリアした案件のみが金融庁の公式支援を受けられる枠組みであり、今回の選定はトークン化預金とステーブルコインを組み合わせた銀行間決済の実用化に向けた国家的な取り組みとして注目される。
背景:MoneyXでも議論された日本のデジタルマネー戦略
2026年3月末に開催されたアジア最大級のWeb3カンファレンス「MoneyX」では、日本財務大臣がビデオメッセージで、JPYCやメガバンクのトークン化預金の動向に触れながら、「今夏に暗号資産・ステーブルコイン特化の新組織を設立する」方針を発表。今回の金融庁によるPIP第3弾支援はその方向性と軌を一にするものだ。
トークン化預金とステーブルコインが日本の銀行間決済インフラに本格的に組み込まれていけば、JPYCのような認可型ステーブルコインの利用範囲も大きく広がる可能性がある。2026年4月から始まる実証実験の結果に注目したい。