JPYC

JPYC、累計発行額13〜14億円・保有者8.1万人に到達——MoneyXで岡部CEO登壇、AIエージェント決済への展望も語る

MoneyXカンファレンスでJPYC岡部典孝CEOが最新データを公開。2025年10月の認可型円建てステーブルコイン開始から約4〜5ヶ月で累計発行額13〜14億円、保有者数約8.1万人(1人あたり平均約11万円)を達成。さらに将来的にはAIエージェントやロボットによる経済活動参加にも対応するプログラマブルマネーとして位置づける。


JPYCの最新流通状況:発行から4〜5ヶ月での成長軌跡

2026年3月末に開催されたアジアの金融・フィンテック業界を代表するカンファレンス「**MoneyX**」(JPYC・Progmat・テレビ東京・SBIグループ・CoinPost共催)にて、JPYC株式会社の岡部典孝CEOが登壇し、認可型円建てステーブルコイン「**JPYC**」の最新状況を公開した。

最新数値(2026年3月時点)

| 指標 | 数値 |

|---|---|

| **累計発行額** | 約13〜14億円 |

| **保有者数** | 約8.1万人 |

| **1人あたり平均保有額** | 約11万円 |

JPYCは2025年10月に日本初の認可型(電子決済手段型)円建てステーブルコインとして発行を開始した。財務大臣の基調講演でも「発行から約3か月で累計発行額が10億円を突破した」と言及されており、今回のMoneyXで更新されたデータは着実な成長を示している。

「デジタル通貨の利用主体は人間だけではない」

岡部CEOの発言で特に注目されたのは、**AIエージェントやロボットによる経済活動参加**への言及だ。

岡部氏は次のように述べた。

> 「デジタルマネーの利用主体は必ずしも人間に限られません。今後はAIエージェントやロボットが経済活動に参加する可能性があり、プログラムから直接利用可能なパブリックチェーン上のプログラマブルマネーの必要性があります。」

この視点は、同期間に開催されたグーグル・マイクロソフトなど大手テック企業によるAIエージェント決済標準「**x402財団**」設立(2026年4月3日発表)とも方向性が一致しており、JPYCがAIエコノミーの基盤インフラとなる可能性を示唆している。

MoneyXで示された日本のステーブルコイン戦略

MoneyXセッションでは、CBDC・トークン化預金・ステーブルコインの共存・連携モデルについて活発な議論が行われた。

  • DeCurret DCPの平子氏:異なるデジタル通貨が単一システム内で安全に移動・交換できる「接続性」の重要性を強調
  • Progmatの齊藤氏:発行・管理・償還を包括する標準化インフラの必要性を指摘
  • 財務省の鳩貝氏:公共部門が相互運用性・アクセス性の基盤を整備しつつ民間イノベーションを促進すべきと説明
  • JPYCの岡部氏はこの文脈の中で、JPYCが「パブリックチェーン上のプログラマブルマネー」として他のデジタル通貨と差別化される価値を持つと位置づけた。

    規制環境の整備も着実に進む

    2025年3月には改正資金決済法の規制緩和により、**信託型ステーブルコインに限り残存3か月以内の国債への最大50%運用が解禁**された(100%裏付け原則は維持)。また金融庁は2026年4月3日、トークン化預金×ステーブルコインの銀行間決済実証実験(PIP第3弾)を支援決定するなど、制度整備が着実に進んでいる。

    さらに片山財務大臣は今夏に「暗号資産・ステーブルコイン特化の新組織」を設立する方針を発表。JPYCを取り巻く環境は規制・インフラ両面で強化フェーズに入っている。

    今後の展望

    MoneyXのFour Pillarsリサーチレポートによれば、グローバルのステーブルコイン時価総額は3,000億ドルを超え、Circleの岡部氏はUSDCの流通量が約750億ドルに達したと報告した。日本円ステーブルコインのJPYCはまだ13〜14億円規模だが、国内の規制整備の先行優位と、プログラマブルマネーとしての独自ポジションを活かした拡大戦略に注目が集まる。