ポリマーケット、独自ステーブルコイン「Polymarket USD」導入と取引エンジン全面刷新を発表——ローンチ以来最大規模のアップグレード

大手分散型予測市場ポリマーケットが、USDC.eからサークル発行のネイティブUSDCに1対1で裏付けられた独自ステーブルコイン「Polymarket USD」への移行と、照合エンジン「CTF Exchange V2」導入を含む過去最大規模のインフラ刷新を発表。2〜3週間以内に実施予定で、全オーダーブックのリセットも行われる。


ローンチ以来最大のインフラ刷新

大手分散型予測市場のポリマーケット(Polymarket)は2026年4月6日、今後2〜3週間以内に取引所のインフラストラクチャ全体を全面刷新するアップグレード計画を公式に発表した。同社にとってローンチ以来最大規模となる今回の移行では、新しいスマートコントラクト・オーダーブックへの切り替えに加え、**独自ステーブルコインの導入**が予定されている。

新照合エンジン「CTF Exchange V2」の主な特徴

ネットワーク基盤を管理するスマートコントラクトは、高速・高効率な照合エンジンを備えた「**CTF Exchange V2**」へとアップデートされる。主な改善点は以下のとおりだ。

  • 注文構造の最適化によるガス消費の削減:トランザクションコストを引き下げ、特に高頻度トレーダーの利便性を向上
  • EIP-1271への対応:スマートコントラクトからの署名を直接検証できるイーサリアム規格に対応することで、Safe(旧Gnosis Safe)などのマルチシグウォレットからの取引が容易に
  • 全オーダーブックのリセット:移行と同時に既存の全注文が完全にリセットされる
  • 独自ステーブルコイン「Polymarket USD」の導入

    今回の刷新における資金面での最大の変更点は、従来使用されていたポリゴン(Polygon)上のブリッジ版トークン**USDC.e**からの脱却だ。今後は**サークル(Circle)発行のネイティブUSDCに1対1で裏付けられた新たなステーブルコイン「Polymarket USD」**がプラットフォームの担保資産として導入される。

    一般投資家の多くは、事前の承認プロンプト画面において自動で処理されるため、シームレスな資産移行が可能だ。一方、ボットやAPIを活用するプロトレーダーは対象スマートコントラクトを通じた手動変換と、最新SDKを用いた全注文の再署名が必要になる。

    移行スケジュールと市場への影響

    正確なメンテナンス日時についてはシステム切り替えの少なくとも1週間前までに公式から告知される予定だ。実施に際して一時的なメンテナンス期間が設けられ、その間は取引が停止する。

    ポリマーケットは近年、米国大統領選など主要イベントの予測市場として急成長し、カルシ(Kalshi)といった競合他社に加えて、コインベースなどの大手仮想通貨取引所も予測市場に相次ぎ参入している。流動性獲得競争が激化する中、今回の基盤刷新はオンチェーン処理速度の向上と安全な資金管理の両立を目指すものだ。

    業界への示唆:DeFiにおけるステーブルコイン戦略

    今回の動きは、DeFiプロトコルが流動性強化を目的に独自ステーブルコインを設計・発行するトレンドを反映している。ネイティブUSDCを1対1で裏付けに使うことで担保の信頼性を維持しつつ、プラットフォーム固有の機能を持たせるという設計思想は、今後他のDeFiプロジェクトでも参考にされる可能性がある。

    なお、今回の公式声明では多くの投資家が期待していたガバナンストークン発行についての新たな言及は確認されなかった。

    参考

  • 参照元:ポリマーケット公式X(@PolymarketDevs)、2026年4月6日発表
  • 関連:カルシ、コインベースの予測市場参入(2025年〜2026年)